幕間(4)) 県立虎ノ門高校野球部2・超完全版2008-02-14 Thu 19:13
平成十八年三月二十三日、選抜高校野球大会開幕―。 名門、虎ノ門高校野球部は直前に監督失踪という問題が発生するも、部長の士別高義を監督代行とすることで、無事出場することが出来た 。 兵庫県にある阪神甲子園球場ではその日、開会式が行なわれた。 虎ノ門高校は、I県の代表として、晴れの舞台に参加。 虎ノ門高校野球部のユニフォームは、ユニの真ん中に黒字で虎と書かれたシンプルなもので、縦縞の線もあり、さながら阪神タイガイースのようであった。 そんな虎ノ門高校の初戦は、大会3日目の第3試合、福岡県代表の穴子学園。新進気鋭校で、昨夏の選手権ではベスト4まで進出した強豪校。初戦から侮れない相手との対戦になった。 そして、対戦の日。 「第××回選抜高校野球大会3日目の第3試合は、I県代表3年ぶり17回目の県立虎ノ門高校と福岡県代表2年連続2回目の穴子学園の対戦をお送りします。穴子学園は、昨年夏の選手権でベスト4まで進出した新進気鋭の高校です。一方の虎ノ門高校は、センバツは3年ぶりの出場ですが、去年の明治神宮大会では準優勝しており、優勝候補の一角と見られております。いやあ、戸田さん。虎ノ門高校は甲子園春夏出場回数通算30回目ということで、すっかり甲子園ではお馴染みの高校の一つになりましたよねー。特に新チームはMAX145kmの本格派右腕の小西真一郎選手が注目されるところです」 「そうですねー、去年の神宮大会では三谷高校に4−6と惜しくも敗れましたが、16奪三振は見事でしたよ。いやあ、今大会注目の選手の一人ですよねー」 「さて、シートノックが終わって間もなく試合が始まります。試合開始予定時刻は午後4時30分でしたが、これは予定より早く始まりそうです」 「―プレイボール!」 「さあ、始まりました。県立虎ノ門高校対私立穴子学園の試合。先行は、虎ノ門高校、後攻が穴子学園です」 ・ ・・・・・・・。 「試合終了!8―5で、県立虎ノ門高校が私立穴子学園を下して、2回戦へと駒を進めました!これで虎ノ門高校は2回戦で既に勝ち星を挙げている大阪府代表のBL学園との対戦が決定しました」 そして、2回戦は大会9日目の第1試合、午前8時30分から始まった―。 ・ ・・・・・・・・。 「試合終了!19―1で、名門対決は大阪府代表BL学園の一方的な試合展開のまま終了しました。I県代表の名門虎ノ門高校は実力を出し切れず、BL学園の前に大敗しました。いやあ、BLの強力打線は本物ですねー。最近は夏の大会で初戦敗退するなど目立った活躍は見られませんでしたが、ここに来て打線が爆発しましたねー。これはBL、全盛期の勢いを取り戻したと言っても過言ではないと言ってもけして言い過ぎではありませんねー、戸田さん・・・」 結局、名門虎ノ門高校野球部は大敗。2回戦で姿を消し、虎ノ門高校野球部の短い春は終わった・・・。 |
幕間(3) 県立虎ノ門高校野球部・超完全版2008-02-14 Thu 17:26
ここは、県立虎ノ門高校野球部の部室。春の選抜出場を控えたその野球部の部室に今、一人の男がその部室の門を叩いていた。 男の名は、古城竜也。元ミステリー研究会副部長にして、2年2組12番。野球部のエースで主将の小西真一郎とは同じクラスの前番号(小西が13番)。小中高と同じクラスで、所謂幼馴染。少年の日に夕陽を見ながら交わした『甲子園出場』の約束を果たす為、古城はこの名門野球部の門を1年遅れではあるものの今まさに叩いている。勿論その手には『入部届』が固く握り締められていた。 そして、数秒待って出てきたのは髭面の30代男。 男は古城を見るなり開口一番。 「誰だ、お前は!」 「はい、自分は2年2組12番の古城竜也です!この野球部に入部する為に来ました!」 「・・・入部希望者か。どれ、その紙を俺に貸してみろ」 男はそう言うと無理矢理古城の手からその入部届と」書かれた紙を奪い取ると、何を思ったのかその紙をビリビリと破り捨てた! 「こんな紙切れはいらん!入部したければ、2日後の午後6時にグランドで入部試験をやるから、そこへ来い!時間厳守だぞ!」 そして、2日後の午後6時。野球部専用グランドでは髭面の男(何を隠そうこの男こそがこの名門野球部の監督だったのだ!)をはじめ、マウンドにはエースの小西、バックネット裏には補欠部員達、ピッチャー以外の守備位置にはレギュラーメンバー。総勢49名の部員が揃ったそのグランドのバッターボックスに古城がバットを構え、立っていた! 入部試験の内容は、小西からホームランを打つこと。チャンスは7球。1打でもホームランが出れば、その瞬間古城の入部が決まる。 緊張の一瞬。 小西はしかし、球速140km台の直球でまず勝負してきた。 古城はその直球に息をピッタリ合わせ、思い切りボールめがけてバットを振り抜く。 「おお!」 バックネット裏の補欠部員たちから思わず歓声があがる。 ジャストミート。 見事、小西の放ったボールが古城の振り抜いたバットの芯に当たり、まさかの場外ホームラン。 それを間近で見せられた監督の怒声が、グランド中に響き渡る。 「合格だ!!」 そして、この男こそ虎ノ門高校野球部監督にして3月に人知れず退職届だけを残して消えた龍宮学園教師であり、何を隠そう唐沢瑞城を殺害した真犯人であった。 その男の名は、氷野将季。 その入部試験は、選抜大会直前の3月17日に行われ、その日以来男はこの野球部に姿を見せることはなく、忽然とその姿を消した―。 その3日後、唐沢瑞城がその男に人知れず殺害されたのだ! 勿論、その時点でそのことを知る者は誰一人としていなかった。 唯一人、新興宗教教祖の娘、神常寺唯香を除いては―。 |
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